熱帯魚の中には、雨期と乾期がある地域に生息している種類もいます。
こうした地域に暮らす熱帯魚は、乾期になって水が干上がったとしても、なんとかして生きていかなくてはなりません。
そんな乾期を生き残るための能力としてよく知られているのが、土中で休眠するというものです。
特に多いのが卵の状態で休眠するという方法です。
このような方法は熱帯卵生メダカと呼ばれるグループや、カラシン科に属する熱帯魚の一部でみられ、わずかな雨期の間に驚異的な早さで成長を遂げ、乾期が来るまでの間に、少しでも多くの卵を土中に埋めるように産卵し、卵はわずかな湿気を頼りに雨が降るのを待ちます。
雨期が訪れて池ができると、数ヶ月もの間、土の中で耐え忍んできた卵からは次々と稚魚が誕生し、わずかな期間を全力で生きていくのです。