熱帯魚

熱帯魚の過密飼育|熱帯魚飼育コラム

熱帯魚の飼育を楽しむために

熱帯魚の過密飼育

熱帯魚を飼い始めてすぐの頃は、とにかく水槽に色とりどりの熱帯魚をたくさん泳がせてみたいと思うものです。

ところが熱帯魚を飼っている人に相談してみたり、専門の本を読んでみたりすると、「熱帯魚の過密飼育はやめましょう」と釘を刺されてしまうこともしばしば。

もちろん過密と言っても、これはとても抽象的な表現ですので、その定義もかなり曖昧なものですが、おそらく30センチの水槽なら10匹くらいでも過密飼育とされる場合も多いのではないでしょうか。

では実際には30センチの水槽でどのくらいの熱帯魚を飼育できるかと言うと、濾過器がない場合、5センチの熱帯魚で30匹くらいです。

「ありえない」とお思いでしょうか?これはかつてプセウドスフロメナスを趣味でブリーディングしていた時の話ですが、エサの質と量、水草、砂、光のバランスを取ることさえできれば何も不思議なことではなく、例えば一般に飼育が難しいとされる熱帯卵生メダカの世界などでは、ごく当たり前のことなのです。

また、初心者の場合でもエーハイム社の2211と呼ばれる機種を用いれば、濾材は付属のものをそのまま使用しても、30センチ水槽で5センチの熱帯魚を30匹くらいは十分に飼育することができます。

しかも過密飼育はテリトリーを崩壊させるので、ターゲットの分散とも併せ、熱帯魚同士によるケンカでの死亡率も下がりますし、チョコレートグラミーやマルプルッタのように気むずかしい熱帯魚のエサ食いが他種との過密飼育で見違えるほど活発になることもしばしばです。

熱帯魚の世界において教科書通りの常識はあくまで参考に過ぎません。

本当の生きた知識を得るには自分自身で試してみるしかないのです。

クローン以外のたいていの生き物は一匹づつ遺伝子が違いますし、育ってきた過程などによっても、その時点での丈夫さは違います。

そのため、実際に同じ親から同じ日に生まれた熱帯魚を全く同じ飼い方をしていてさえ、長生きするものもいれば、数日で死んでしまうものもいるわけです。

そもそも熱帯魚の過密飼育が本当にできないのであれば、熱帯魚ショップはひとつの水槽にわずかの熱帯魚しか入れることができず、これでは商売になりません。

つまるところ結論としては、大きな水槽で少しの熱帯魚を飼っていても次第に衰弱して死んでしまう場合もあれば、小さな水槽で熱帯魚の過密飼育をしても全ての熱帯魚が元気で長生きする場合もあるということです。

これはひとえに飼育者の知識と経験、そして、日々の観察力にかかっていると言えるでしょう。

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