ベタはオス同士で激しく争う闘魚であり、ベタのオス同士を混泳させるべきでないのは、たとえ熱帯魚の飼育を始めたばかりの初心者であっても周知の事実でしょう。
確かにベタのオスはお互いの姿をみるや直ちに激しい威嚇を始め、一緒にしてみると体を丸めてお互いに襲いかかります。
それこそ瞬く間にどちらのベタもヒレがボロボロになってしまい、鑑賞価値が激減してしまうことは言うまでもありません。
ただ、意外に他の熱帯魚とは混泳できる場合が多く、実際のところ、ネオンテトラ、カージナルテトラ、チェリーバルブ、アカヒレ、各種ラスボラ、パールダニオ、ネオンドワーフレインボー、プラティ、ヴィリアタス、オトシンクルス、各種小型グラミーなどとは、ベタと問題なく混泳しています。
もちろん自然界ではベタのオス同士も同じ池や川に生息していますので、いくつかの条件を整えてあげれば、成長したベタのオス同士を10リットルくらいの水槽で混泳させることもできますが、激しいけんかこそ避けられても、週に一度はどれかの尾ヒレが破れていたりといったことは起こりますし、まず決しておすすめできるものではありません。
ベタを複数で飼育してみたいというのであれば、比較的けんかをしないピースフルベタを飼育すべきです。
ピースフルベタとしてはベタ・インベリスが古くから知られていますが、この種とて、けっこうやり合うことがありますので、少なくとも逃げ場となる場所を水草などでしっかりと確保してあげることが大切です。
経験上、ベタの中で最も混泳に向くのは、ベタ・コッキーナです。
この種はオス同士を小さな水槽に何匹か入れても、多少の小競り合いはあるものの、ほとんど傷つけるようなことはありませんでした。