熱帯魚の飼いやすさは、もちろん種類によっても変わってきますが、それとは別に頭に入れておかなくてはならないのが、ショップでの状態と、水道水の水質です。
まずショップでの熱帯魚の状態ですが、病気に罹っている個体は論外として、輸送や水質の変化によるストレスを見極めなくてはなりません。
特にチョコレートグラミーなどは良い例で、ショップに数週間もいるものは、まずとてもデリケートな熱帯魚とは思えないくらい丈夫で長生きしてくれますが、入荷直後の個体では数日のうちに死んでしまうこともあります。
そういった意味では、熱帯魚ほど「残り物には福がある」ものはないでしょう。
ただし、売れ残った熱帯魚にはヒレや背骨が曲がっていたりということも良くありますので、そうしたことが気になるようであれば体型などもよく確認しておくことです。
次に熱帯魚に使う水道水の問題ですが、実はこれがなかなかやっかいです。
水道水というのは一定の基準に従って水質も規定の範囲内に調整されてはいるものの、調べてみると地域によって、また、季節によって、PH6の弱酸性だったり、PH8のアルカリ性だったりと、驚くほど違う場合があります。
これはPHだけの話ではありませんが、いずれにしてもショップの水と水道水の水が極端に違えばもちろん熱帯魚を移し替える際に水あわせに失敗しやすく、丈夫な種類でさえも翌日に死んでしまうことがあります。
これは例えば同じ県のショップで購入すれば良いかというと、そういうことでもなく、はるか彼方のショップであろうが近いショップであろうが、水質が近かったり異なっていたりすることもしばしばです。
ではどうすれば良いかということになりますが、やはりどのような種類であっても、結局は慎重な水あわせこそが、とりわけ大切だというところに行き着くことでしょう。
あれこれ策を巡らせるよりも、まずは「基本に忠実であれ」です。